・演 題:超加工食品は危険か!『加工度』はどこまで健康に影響するか
・日 時:2026年6月29日(月)19時~20時30分
・場 所:オンラインのみ
・講 師:長村洋一氏(藤田医科大学名誉教授)
・進 行:小島正美
・参加者:オンライン参加100名
・文 責:小島正美
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「超加工食品(Ultra-Processed Foods=UPFs)」は、2009年にブラジル・サンパウロ大学のカルロス・モンテイロ名誉教授らが提唱した食品の分類概念(NOVA分類)。食品を加工度の度合いに応じて、4つのグループに分類し、加工度の最も高いグループ4が超加工食品として分類されている。超加工食品としてはカップ麺、菓子パン、スナック菓子、チョコレート、ケーキ、アイスクリーム、冷凍ピザやレトルト食品、チキンナゲットなどが挙げられます。加工度だけでなく、モンティロ氏らは工業的な製造プロセスや食品添加物の使用が増えることも問題視している。
長村氏は、NOVA分類は食品添加物や食品の製造加工プロセスも分類基準としているため、食品の栄養バランスとの関連性を重視していないと指摘。たとえば、ビタミンやミネラル、葉酸が豊富な全粒粉シリアルは、栄養機能的にはすぐれているのに超加工食品とされ、まるで危ない食品かのように分類されている。また、家庭で大量のバターや砂糖を使った料理は、健康へのリスクが高いのに、工業的なプロセスを経ていないために、超加工食品には分類されていない。これをみても分類に問題があることが分かる。
メディアでは肥満、2型糖尿病、高血圧、心血管疾患、うつ病などのリスクにも関連しているとのニュースが見られるが、信頼できる確実なエビデンスは少なく、そもそも分類の定義があいまいなのが最大の問題だと長村氏は話した。食品添加物自体は安全性が確認されており、通常の食生活では健康の目安となる許容1日摂取量(ADI)を超えていないため、健康へのリスクはない。
超加工食品のリスクと言われているものは、実は、塩分や脂質、加工肉の摂り過ぎ、野菜や食物繊維の摂取不足などであり、加工度や工業的な製造プロセスとはあまり関係がない。調理技術の発達で加工食品は以前に比べて「よりおいしく、より食べやすく、より便利」になり、栄養バランスを自ら自己調節する機能を失わせ、過食につながるという要素は否めない。ただいずれにせよ、NOVA分類の定義自体があいまいなことがこの問題を混乱させている。栄養機能のバランスを常に考えることのほうが大事なのではないか。


