第7回「食生活ジャーナリスト大賞」授賞式の報告

 食生活ジャーナリストの会(JFJ)は2023年3月23日、第7回食生活ジャーナリスト大賞の授賞式を日比谷図書文化館(東京都千代田区)4Fのスタジオプラスで開催した。同賞は、JFJ会員から候補者を募り、JFJ幹事からなる大賞検討委員会で協議して決定した。
 授賞式は新型コロナウイルス対策のため授賞式の模様を配信するオンラインと、リアル会場とのハイブリッド方式で実施、オンライン配信の様子は下記の動画(YouTube)で紹介する。

【大 賞】
ジャーナリズム部門:阿古真理氏(作家・生活史研究家)
食文化部門:東海林さだお氏(漫画家)

 授賞式では、畑中三応子代表幹事が受賞理由を説明し、盾と賞金を受賞者に手渡した。来賓の農政ジャーナリストの会会長・行友弥氏、水産ジャーナリストの会会長・金子弘道氏から祝辞が述べられた後、受賞者によるスピーチが行われた。
 阿古真理氏は、食生活関連の著作を多数執筆してきた中で、丹念な取材、調査、裏取りを重ねてきたことを披露した。最近の飲食店のウエブ記事では「店に行ってきた」「食べた」「おいしかった」という記述ばかりで店についての取材が甘いことにも警鐘を鳴らし、取材や調査には費用も時間もかかるが、その重要性を強調するとともに、その姿勢をこうして評価してくれたこと、執筆の機会を得たこと、著作を読者が購入してくれたことについて感謝を述べた。
東海林さだお氏は、36年間の『週刊朝日』連載の秘けつとして、米国の哲学者ウイリアム・ジェームスの「見慣れたものを見知らぬもののように扱い、見知らぬものを見慣れたもののように扱うのが哲学である」という趣旨の言葉を引用。例えば、見慣れた「メザシ」も、知らないものと捉えると「なぜ4匹なのか?知り合いか?家族か?」と、テーマが浮かび上がってきてエッセーとなると話した。『週刊朝日』は休刊するが、このようにしてエッセーを書き続けていきたいと抱負を語った。
 最後に、会場とオンラインの参加者から受賞者2人に対する質問が多数寄せられた。


左から、畑中三応子JFJ代表幹事、東海林さだお氏、阿古真理氏

【授賞式のダイジェスト動画】

(文責:JFJ幹事 中野栄子)

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