2020年12月25日、『日本食品標準成分表2020年版(八訂)』が文部科学省から公表されました。
(近年追補という形で毎年新たな情報の公表はあるものの)5年に1度の大改訂となり、今後、食品の栄養成分表示や、個々の摂取するエネルギーや栄養素の過不足を判断する栄養計算には、この八訂の成分表を用いることになります。八訂では、需要が拡大している調理済み流通食品に関する情報を充実するとともに、これまで分冊として編集されていることもあり、あまり注目されていなかったアミノ酸、脂肪酸、利用可能炭水化物等の組成成分を用いたエネルギーの算出方法を導入するなどの改訂がなされました。 そこで、第8回勉強会では、食情報を発信する者にとって不可欠な資料である「日本食品標準成分表」の改訂内容と今後の方向性について、実際に改訂作業を担当された文部科学省科学技術・学術政策局政策課資源室の松本万里室長に解説していただきます。
《開催概要》———————————————————
掲載日:2020/12/25 | カテゴリー:活動カレンダー
・演 題:コーヒーの本を書き、作り、届ける
~中世のイスラーム社会に誕生したコーヒーからメディアの明日を考える~
・講 師:小山伸二(おやましんじ)JFJ副代表幹事、日本コーヒー文化学会常任理事、詩人
辻調理師専門学校職員、メディア・プロデューサー、立教大学兼任講師
清水美穂子(しみずみほこ)ライター、ブレッドジャーナリスト
・会 場:日比谷図書文化館4Fスタジオプラス小ホール・オンライン会議(ZOOM)同時開催
・参加者:38名(会場10名+オンライン28名)
・文 責:田尻 泉
2020年9月に「コーヒーについてぼくと詩が語ること」を上梓した小山伸二さんを講師に、普段何気なく飲んでいるコーヒーの歴史と文化を、そしてコーヒーについて語ることで何が見えてくるのかを掘り下げました。第1部では小山さんが、コーヒーの起源、そして世界に広まったコーヒーから各地でいかにして文化が育まれていったのかを紹介し、さらに現在においてコーヒーを語る意味を考えました。第2部では同書の編集を担当した清水さんによる著者インタビューの形で進行し、なぜ語るのか、誰に語るのか、誰が語るのか、そして詩とは何か、コーヒーとは何かをテーマに熱い議論が繰り広げられました。
掲載日:2020/12/24 | カテゴリー:勉強会の報告
西日本支部の第1回目の勉強会を完全リモート形式で実施します。
ゲスト講師は、立命館大学・食マネジメント学部で、イタリアの食文化、スローフード哲学と食のアクティヴィズムを教えていらっしゃる石田雅芳氏。
石田さんのゼミは食のリアリティを学生に体感させることで知られている。学内に設置したピザの薪窯を使った実習。イタリア・ベネチアからベテラン漁師を招聘しての講習。さらに学生たちとイタリア現地に出向いて、食文化のリアリティをゼミ生たちに伝えて来た。
今年、コロナ禍の影響でリモート授業を余儀なくされたが、石田ゼミでは、今年も食の「現場」を学生たちに実感してもらうために、海外の生産者、研究者など多彩なゲストをネット上に呼び、その模様は新聞などでも取り上げられ話題になった(朝日新聞:2020.6.24)。
そんな石田ゼミの、コロナ禍での一年を振り返ってもらいながら、私たちも食科学とイタリア食文化のリアリティについて、学ばせていただきます。
これまで呼んだゲストとの楽しいエピソードなども交えて、話題も盛り沢山のはずです。
完全リモート開催で、お送りします。
参加者には、後日、限定動画配信も予定しております。
【講師プロフィール】石田雅芳(いしだ・まさよし)氏
1967年、福島市生まれ。同志社大学大学院文学研究科修士課程を修了後、イタリア・フィレンツェ大学に留学。イタリアの話題を取り上げる日本メディアのコーディネーター、イタリアに本部を置くNPO「スローフード協会」の職員などを経て、2018年4月から立命館大学食マネジメント学部教授に。
『スローフードマニフェスト』木楽舎、2004年(共著)、『スローフードの奇跡』三修社、2009年(訳)、『食と農のコミュニティ』創元社、2013年(共著)。
*2020年度「石田ゼミ」で登場したゲストの方々
コーヒー焙煎士アンドレア・トリンチと息子のトビア。アンドレアと最後に会ったのはもう16年前のこと。スローフード初のフェアトレードの試みだったグアテマラのコーヒープロジェクトだった。生豆はイタリアまで運ばれて焙煎されることになったが、その場所はトリノの刑務所内だった。3名がアンドレアの元でコーヒー焙煎に従事していたが、かなりの重罪で服役している人々だったのには驚いた。トリンチは1世代前エルコレ・トリンチによって30年代にフィレンツェで創業され、現在はピストイア近郊に焙煎所を構え、イタリアンローストを代表する焙煎所となっている。今日は焙煎の全工程を見せていただいて、貴重なスマトラ島のコピ・ルワクも見ることができた。ジャコウネコの糞を探して森を探索する昔ながらの方法で採集された本物。1Kgあたり1000ユーロ。コーヒーにしたら一杯12ユーロほどとのこと。うちの研究室にあるのは偽物かもしれない。ドメニコ・カファルキア:プーリア州のワイン生産者。親子三代に渡って地域産品の生産、プロモーション、販売に携わって来た。
ジャコモ・モヨーリ:元スローフード協会副会長にして自由思想家。これからの食文化に必要なものを語る論客。
セコンド・スクイッツァーノ:アマルフィ海岸チェターラ市の元市長。伝統的な魚醤「コラトゥーラ」がDOP(原産地名称保護)というEU認証取得に尽力。
ヴァレーリア・シニスカルキ:フランス社会科学高等研究所マルセイユ校教授。フード・アクティビズムを研究。
マッシモ・ベルナッキーニ:トスカーナ州オルベテッロのカラスミ(ボッタルガ)生産者。
ロベルト・パニッツァ:ジェノヴァのバジリコ文化の保護・啓蒙を行う「国際ジェノヴェーゼ・ペースト・チャンピオンシップ」の運営責任者。
サルヴァトーレ・トスカーノ:グレーヴェ・イン・キャンティ「オステリア・マンジャンド・マンジャンド」シェフ。
アンドレア・トリンチ、トビア・トリンチ親子:コーヒー焙煎士。フィレンツェで創業、現在はピストイア近郊で焙煎所を構える。
アルベルト・カパッティ教授:イタリア・パヴィーア大学フランス語史講座助教授、食文化学大学教授。石田ゼミでは、教授のコモ湖の自宅から、イタリア・ルネサンス期、最も重要な料理書として知られるバルトロメオ・スカッピ『教皇ピオ5世の料理人バルトロメオ・スカッピ著作集』を解説してもらう。
《開催概要》———————————————————
掲載日:2020/12/22 | カテゴリー:活動カレンダー
掲載日: | カテゴリー:幹事会の報告
食をテーマに情報発信している記者、編集者からなる「食生活ジャーナリストの会」(小島正美代表幹事、会員数約150人)は18日、「2020年食の十大ニュース」をまとめ、公表しました。1位は「コロナ禍で外食激減、『Go To イート』も」です。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、飲食店が大きな打撃を受け、倒産件数が上半期で過去最大となりました。一方、「Go To イート」などの景気刺激策も行われました。緊急事態宣言下での外出自粛やリモートワークの定着などで、家庭での調理機会が増え、中食やデリバリーの需要も増加しました。コロナ関連以外では、昆虫食や代替肉などフードテック製品も注目されました。レジ袋の有料化でマイバッグの普及が進みました。飢餓と貧困をなくすために活動している国連食糧計画のノーベル平和賞受賞は、食品ロスの問題と切り離せない話題です。改めて食の在り方が問われた一年でした。
食の十大ニュースの順位は以下の通り:
①コロナ禍で外食激減、「Go To イート」も
②巣ごもり消費拡大・テイクアウト/デリバリー急増
③代替肉の登場など「フードテック元年」
④レジ袋有料化、プラゴミ削減加速
⑤一斉休校で学校給食大混乱
⑥国連食糧計画(WFP)がノーベル平和賞受賞
⑦種苗法改正が継続審議の末に成立
⑧11県で鳥インフルエンザ発生・殺処分が史上最多
⑨食品ロス削減運動進む
⑩日本人の食事摂取基準2020年版スタート
選考基準は▽会員の投票数▽各種メディアのニュースに登場した頻度▽歴史的観点から見たニュースの価値・重要性――の3点です。
掲載日:2020/12/18 | カテゴリー:食の十大ニュース
食品のリスクといっても、さまざまな要因がありますが、どのリスクを優先的に考えるかは国のリスク管理政策にとって重要な意味をもちます。この問題で農水省の担当者をお招きし、リスク管理の優先順位に対する考え方を学びます。
【講演要旨】
同じ化学物質でも、人が意図的に使うもの(農薬や添加物など)と非意図的に食品に入るもの(アクリルアミド、ヒ素、カドミウム、病原微生物など)がありますが、今回は主に非意図的に食品に入るものについてのリスク管理の優先順位について話をします。
《開催概要》———————————————————
掲載日:2020/12/01 | カテゴリー:活動カレンダー
掲載日:2020/11/24 | カテゴリー:幹事会の報告
・演 題:『藻』は持続可能な社会をつくるパートナーになれるか
・講 師:出口悠(でぐちゆう)・「ちとせグループ」コミュニケーションデザイナー
・進 行:小島正美
・会 場:日比谷図書文化館4Fスタジオプラス小ホール・オンライン会議(ZOOM)同時開催
・参加者:37名
・文 責:小島正美
藻類には昆布やワカメのような「大型藻類」と肉眼では見えない「微細藻類」がありますが、地球上に多いのは微細藻類で、約3万5千種類も存在するといわれています。私たちの文明に大きな恩恵をもたらしている化石燃料は、藻類が長い進化の過程でできたバイオマス資源の蓄積が形を変えたものです。太陽エネルギーを利用して、光合成を行う藻類は、私たち人類に植物性タンパク質や油脂(石油のようなオイルや健康食品になる油など)をつくってくれます。たとえば、藻類のひとつのスピルリナは牛のような家畜や植物の大豆などよりもはるかに効率よくタンパク質を作ります。つまり、スピルリナからタンパク質を摂取すれば、地球の土地や森林、水資源の節約になるのです。石油に匹敵するオイルをつくる藻類もあり、化粧品の成分やプラスチックの原料に利用できる藻類もいます。将来的には藻類農業という新たな農業が誕生する可能性も大いにあります。 出口さんの所属する「ちとせグループ」(約150人・8割は理系出身)は様々な事業・研究開発を行うベンチャー企業の集まりです。同グループでは現在、他の研究機関や企業と連携しながら、汎用タンパク質の世界への普及を目指し、国内外で藻類の大規模培養プロジェクトに取り組んでいます。出口さんは化石燃料に頼らず、太陽エネルギーを基点とする循環社会への転換を目指す大きな夢を語りました。オンライン参加者からの質問も多く、藻類への関心を高める有意義なセミナーとなりました。
掲載日: | カテゴリー:勉強会の報告
掲載日:2020/10/17 | カテゴリー:幹事会の報告
==========開催概要============
食生活ジャーナリストの会 公開シンポジウム
【テーマ】「コロナ禍の<食>とメディア――海外と日本それぞれの現場から」
第1部 現地報告・パリ・ソウル / 第2部 討論 産地・外食・家庭の食卓
【日 時】 2020年11月23日(月・祝) 14:00~16:45(13:30開場)
【場 所】 日比谷図書文化館4Fスタジオプラス小ホール
(千代田区日比谷公園1-4/TEL:03-3502-3340)
*会場参加はJFJ会員 先着40人です
*非会員はオンライン(ZOOM)参加となります
【主 催】 食生活ジャーナリストの会(JFJ)
【参加費】 一般(オンライン)1,000円 ※会員と学生は無料
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第1部 海外報告(60分)/ファシリテーター 小山伸二(JFJ幹事・辻調理師専門学校)
●パリ 関口涼子氏(作家、翻訳家、ジャーナリスト)
●ソウル 鄭銀淑=チョン・ウンスク氏(紀行作家)
第2部 パネル討論(70分)/ファシリテーター 長沢美津子(JFJ幹事・朝日新聞社)
●君島佐和子氏(『料理通信』編集主幹)
●門田一徳氏(『河北新報社』記者)
●小竹貴子氏(『クックパッド』コーポレートブランディング担当本部長)
会場進行:大久保朱夏(JFJ幹事・フードライター)
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【申 込】会員・学生:無料➡ 申込フォーム
非会員(オンライン:ZOOM)1,000円 ➡ Peatixにて参加費を徴収
◆非会員の方でPeatix以外のお申込みをご希望の場合は コチラ から
【定 員】会場:JFJ会員限定 先着40人(ソーシャルディスタンス対応)
オンライン(ZOOM):200人
(定員に達しましたら申込受付を締め切ります)
【お知らせ】*お申込み完了後、 開催当日までに申込登録されたメールアドレスあてに
オンライン放送のURLをお送りします。
開催時刻前に届かない場合は、JFJ事務局にメールでお問い合わせください。
なお、必ずJFJ事務局のメールアドレス(info@jfj-net.com)を「連絡先」等に
ご登録ください(弊会からのメールが拒絶される場合があります)。
*事前参加登録いただいた皆様には、後日YouTube動画を限定配信いたします。
(不具合で視聴できなかった方、急遽欠席になった場合も御覧いただけます)
【お問合せ】JFJ事務局
携帯:090-5002-6961
FAX:0467-95-9354
info@jfj-net.com