2021年3月1日 2020年度西日本支部第2回勉強会の報告

「神戸の洋食」その起源と発展

〜学術的なスタンスと一般書的アプローチの「出版的並行感覚」について〜

・演 題:「神戸の洋食」その起源と発展
・講 師:江弘毅
・進 行:小山伸二
・参加者:オンライン開催29名
・文 責:小山伸二

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西日本支部の勉強会。講師は、長年、メディアの世界で「食」を発信、近年は大学でも食文化の授業をされている江弘毅氏。
江氏の近著『神戸と洋食』をベースに、神戸の「洋食文化」から広がる、街と食の歴史と文化のお話をたっぷりと、お聞かせいただきました。

簡単に、当日のお話の骨子を紹介します。

1 神戸の洋食の現在進行形について
・書籍『神戸と洋食』の書かれた経緯とともに、神戸の「現在」の洋食を語る上で、2つの系統のあることをご指摘。
「オリエンタルホテル」で修行した料理人の系譜と、外国航路の船上料理人の二つの系譜を受け継いだレストランを写真を交えて紹介(帝武陣、sion、ラミ、伊藤グリル、ビストロジロー、グリルミヤコ、グリル十字屋)。

2「神戸開港と洋食前夜」
・1868年の開港によって、外国に開かれた港町として、都市の性格が決定づけられた神戸。
明治以来に激変した食文化のなかで、「洋食」文化の影響が新しい食材(牛肉や、タマネギなどの洋野菜)の登場秘話。

3「オリエンタルホテルの系譜」
・神戸の洋食の源流になった、「オリエンタルホテル」のルイ・ベギューの物語(作家キプリングも絶賛したその料理)。
オリエンタルホテルで出されていた「フランス料理由来」のカレーの伝統についての解説。

4「日本郵船〜外国船舶の系譜」
・ミナト神戸ならではの「船のコックが陸(おか)に上がってつくったレストラン」の伝統について。単なる流行ではなく、外来の食文化が街の中にきっちりと定着して、いまでも当時の味を「守っている」という現象の考察。

5 ジャーナリズムの取材と社会学の「質的調査〜とくに参与観察」
・アカデミズムにおける学術的な食文化研究(歴史研究)のアプローチと、「街的社会調査」としてのジャーナリズムの交わるところがあるのか、ないのか、について。
新しい書き振り(本の作り方)について、洋食と洋食を取り巻く文物や技芸(メチエ)を、神戸という「場」=トポスを舞台に論じるという、江さんのこれまでのお仕事の集大成のような思いを聞かせてもらいました。

今回も、西日本支部の勉強会として完全リモートで開催しましたが、ネットの映像を通しても、江さんの熱い「語り」は伝わったのではないでしょうか。
とりわけ、食の歴史と現在を、これからもいろんな切り口で紹介していくうえでも、参加者の皆さんに多くのヒントを与えてくれたのではないでしょうか。

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食生活ジャーナリストの会(JFJ、会員数 154人)は、第5回「食生活ジャーナリスト大賞」(2020年度)の受賞者を厳正なる検討の結果決定しました。授賞式は2021年3月29日(月)開催いたします。

「食生活ジャーナリスト大賞」は食に関する情報発信や食文化(食育、料理、調理、地場産業の振興、食文化の継承など)の分野ですぐれた活動や業績を残している個人または団体を顕彰するもので、2016 年に創設されました。ジャーナリズム部門と食文化部門の2部門からなります。

◆第5回食生活ジャーナリスト大賞受賞者◆

「ジャーナリズム」部門
 株式会社料理通信社

「食文化」部門
 一般社団法人日本調理科学会

詳細は、リリース文 (PDF) を参照してください。

代表幹事 小島正美

《授賞式概要》———————————————————

【日時】3月29日(月)19:00~20:30(受付:18:45~)

【会場】日比谷図書文化館4Fスタジオプラス小ホール
   (東京都千代田区日比谷公園1-4/TEL:03-3502-3340)
    https://www.library.chiyoda.tokyo.jp/hibiya/#access
   *オンライン配信(zoom)もいたします。

【主催】食生活ジャーナリストの会(JFJ)

【協賛】東洋ライス株式会社、一般社団法人Jミルク

【参加費】無料

【定員】30名(@会場;入場条件:マスク着用/入場前手指消毒)
   +50名(@オンライン会議;Zoom)
   (定員に達しましたら、Zoomでの参加をお願いする場合があります)

【式次第】

 19:00  代表幹事挨拶
 19:05  表彰式 盾の授与
 19:25  受賞者スピーチ(各20分)

     ◉ジャーナリズム部門 株式会社料理通信社(https://r-tsushin.com/
     「食メディアの役割とは?」
      編集主幹 君島佐和子氏
      取材問合せ先:info@r-tsushin.com

     ◉食文化部門 一般社団法人日本調理科学会(http://www.jscs.ne.jp/
     「家庭料理を伝え継いでいく意義と調理科学からの情報発信」
      創立50周年記念出版委員会委員長 香西みどり氏
     (お茶の水女子大学大学院教授、内閣府の食品安全委員会委員)
      取材問合せ先: kasai.midori@ocha.ac.jp

 20:05  質疑応答
 20:30  閉会

【申込み】3月28日(日)までに コチラ からお申込みをお願いします。
     *お申込みWEB入力に不具合がある場合は、下記事務局までお問合せください。

◆詳細は、食生活ジャーナリスト大賞 授賞式告知リリース(PDF)をご参照ください。

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授賞式の動画はコチラからご覧いただけます

【お問い合わせ】
JFJ事務局 info@jfj-net.com
担当:miruhana
〒253-0063 茅ヶ崎市柳島海岸990-8
携帯:090-5002-6961
FAX:0467-95-9354

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2021年3月1日 2020年度西日本支部第2回勉強会のお知らせ

「神戸の洋食」その起源と発展

〜学術的なスタンスと一般書的アプローチの「出版的並行感覚」について〜

西日本支部の勉強会として、長年、メディアの世界で食を発信、近年は大学でも食文化の授業をされている江弘毅さんに講師として、神戸の「洋食文化」について、お話を伺います。
1868年の開港によって、外国に開かれた港町として、都市の性格が決定づけられた神戸。
明治以来に激変した「食の文化」においても、神戸は他都市とは違う独特の進化の仕方が見られる。
「オリエンタルホテル」と「外国航路の船舶由来」の料理が、後の日本の「洋食」へも大きな影響を与える「2系統」として知られているが、そもそもの外国人のための食が、準日本料理の「洋食」としていかに定着したのか。また、震災以降のグルメアイテムとして人気沸騰の「神戸の洋食」に至った足跡をさぐる。
加えて2019年末発行の『神戸と洋食』(神戸新聞出版センター)の編集執筆において挑んだ、「神戸の食」についての学術的な記述スタイルと、一般書=「グルメ情報誌」的アプローチの「出版的並行感覚」についても、考察していただきます。

今回も、完全リモート開催で、お送りします。参加者には、後日、限定動画配信も予定しております。

【講師プロフィール】江 弘毅(こう・ひろき)
神戸松蔭女子学院大学人間科学部都市生活学科教授、「株式会社140B」取締役編集責任者。
「ミーツ・リージョナル」編集長、「大阪人」編集主幹。(株)京阪神エルマガジン社取締役編集本部長などを歴任。出版人としてのキャリアもいかしながら、大学では、コミュニケーション・情報・メディア、地域社会・地域情報発信、編集論、関西文学論、食生活・食文化を担当。
食生活・文化に関しての主な著作として、『「うまいもんや」からの大阪論』(NHK出版新書)、『有次と庖丁』(新潮社)、『飲み食い世界一の大阪』(ミシマ社)、『いっとかなあかん店・大阪』(140B)、『神戸の洋食』(神戸新聞総合出版センター)。
毎日新聞大阪本社版「濃い味、うす味、街のあじ。」連載中。


《開催概要》———————————————————

テーマ
「神戸の洋食」その起源と発展
〜学術的なスタンスと一般書的アプローチの「出版的並行感覚」について〜
日 時
2021年3月1日(月)19時~20時30分(18時30分よりZoom入室開始)
開催方法
オンラインのみ(Zoom)
講 師
江弘毅氏(神戸松蔭女子学院大学・教授、JFJ会員)
参加費/申込
JFJ会員・学生:無料申込フォーム
非会員(オンライン:ZOOM) 1,000円Peatixにて参加費を徴収
◆非会員の方でPeatix以外のお申込みをご希望の場合はコチラから
定 員
50人(@オンライン:ZOOM)
お知らせ
*お申込み完了後、 開催当日までに申込登録されたメールアドレスあてに
 オンライン放送のURLをお送りします。
 開催時刻前に届かない場合は、JFJ事務局にメールでお問い合わせください。
 なお、必ずJFJ事務局のメールアドレス(info@jfj-net.com)を「連絡先」等に
 ご登録ください(弊会からのメールが拒絶される場合があります)。
*事前参加登録いただいた皆様には、後日YouTube動画を限定配信いたします。
(不具合で視聴できなかった方、急遽欠席になった場合も御覧いただけます)
お問い合わせ
JFJ事務局
携帯:090-5002-6961
FAX:0467-95-9354
info@jfj-net.com

2021年2月4日 2020年度 第8回勉強会の報告

エネルギーの変更ほか5年に1度の大改訂

「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」のポイント

・演 題:「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」のポイント
・講 師:松本万里(文部科学省科学技術・学術政策局 政策課資源室長)
・進 行:監物南美
・参加者:オンライン開催 171名
・文 責:監物南美

2020年12月25日、『日本食品標準成分表2020年版(八訂)』が文部科学省から公表されました。
近年追補という形で毎年新たな情報の公表はありますが、これらを改めてまとめた、5年に1度の大改訂です。収載食品数は2,478食品、成分項目数は組成成分表を含めると約150にもわたり、拡充されました。また、エネルギーの算出方法の変更も大きな話題になっています。
 講演内容の中から、どんな食品が新たに収載されたのか、そしてエネルギーの算出方法に関するポイントを簡単に報告します。

<日本食品標準成分表2020年版(八訂)」のポイント:講演資料(PDF)>

〈新たに収載された食品〉
 食品数は2015年版と比べると287食品増え、全2,478食品となった。調理済み流通食品類(調理加工食品類から名称変更)として、配食事業の普及・進展に対応して、一般的なそう菜に標準値を与えたこと、つぶしあんタイプの菓子類や最近のパン類のレシピに基づく食品を新規収載したほか、新たに収載された食品を見ていくと、近年の調査設計を反映した次のようなものであるとの説明があった。

1)新たに食卓に上るようになった食品
・類似する収載食品がないもの:キヌア、えごま、チアシード、コリアンダーなど
・成分が従来品から大きく変化する可能性のあるもの:減塩タイプのみそや塩、濃縮タイプの野菜ジュース、流通漬物(梅干し、白菜の塩漬けなど)など
2)日本の伝統的・特徴的なな食品
・地域伝統食品:あぶらふ、かやきせんべい、ずんだ、すいぜんじな、泡盛、いぶりがっこ、しょっつる、いしるなど
・和食を特徴づける食材:大根おろし、桜でんぶなど
・アイヌの伝統食品:おうばゆりの鱗茎のでん粉、きはだの実など
3)調理後食品の充実(喫食時に近い食材の栄養価を収載)
・素材と調理後のセットでの分析を実施:焼く、ゆでる、電子レンジ調理、炒め物、ソテー、素揚げ、衣付き揚げ物などの成分値を収載
4)分析法の変更に伴う再調査によるもの
・魚介類の脂質抽出法の見直し:にしまあじ、しろさけ、たいせいようさば、さんま、みなみまぐろ、くろあわび、かき、たらばがに、あかいか、みずだこなどで脂質・脂肪酸を新たな方法で再分析
・食物繊維におけるAOAC 2011. 25法の導入:おおむぎ、こむぎ(穀物、マカロニ・スパゲティ)、こめ(精白米めし)、じゃがいも、だいずなどで、低分子量のオリゴ糖等も食物繊維としての測定対象とする新たな分析法で再分析
5)基本的な素材食品の見直しに伴う変更
・米や卵など摂取頻度が高い食材は定期的に再分析を行い成分の変化を確認し、その結果を菓子類等の計算食品に反映した。

〈エネルギーの計算方法を変更〉
 歴史的に成分表の炭水化物は、食品100gあたりから水分とたんぱく質、脂質、灰分等を差し引いて算出した数値とされており、実際には多様な性質の成分の集合体となっている。炭水化物の構成要素を直接分析した炭水化物成分表が策定され、エネルギーとして利用性の高いでん粉や単糖類などの成分と、利用性の低い食物繊維や糖アルコールなど各炭水化物成分の組成がわかるようになったのは、じつは成分表2015年版からであり、それ以降、分析食品数を増やしてきている。
 今回は、成分表2010年版から成分表本表に参考として収載されてきた、アミノ酸組成によるたんぱく質、脂質のトリアシルグリセロール当量(FAO報告書が推奨するエネルギーの評価方法に用いる成分)に加え、2015年の炭水化物成分表の追加により基盤が整ったので、次の段階として、2020年版では、国際的な状況を鑑み、これらの成分に基づくエネルギーの算出方法への変更を実施した、とのことであった。
 具体的には、添付スライド1の式に沿って、アミノ酸組成によるたんぱく質、脂肪酸のトリアシルグリセロール当量、そして炭水化物を消化性の観点から細分化した利用可能炭水化物、糖アルコール、食物繊維の各成分で算出する方法となり、従来の差引き炭水化物等からのエネルギー値の課題に対して、より科学的な確からしさの高いものとなるとのことであった。
 従来の算出法によるエネルギーと比べたときには、下記スライド(2および3。注:試算値は昨年の論文公表値で追補2018年までの成分値に基づく)のような、やや下振れ傾向の乖離が生じる。2020年版の審議会報告では、全食品について、従来の方法で算出した場合のエネルギー値との比較表も公表(注:こちらは成分表2020年収載成分値での比較)されている。なお、今回標準成分表としては、精緻化したエネルギー値を採用したが、個別の調査設計や商品企画において、その目的に応じ分析・算出がより簡便な従来の一般成分と標準Atwater係数によるエネルギー値を使用することを否定するものではない、との説明もあった。
 今回の変更で、成分表の体系としては、アミノ酸、脂肪酸、利用可能炭水化物等も含めた全150成分が、より密接に関連付けられるようになった。今後は一層、事務局として、組成成分表すなわち脂肪酸成分表やアミノ酸成分表、そして炭水化物成分表等の成分の使い分けに対する情報提供に配慮するとのことであったが、成分表を活用する側でも細分化した各成分の性格の違いなどに対するリテラシーの向上が重要になるだろうとも指摘されていた。

・当日いただいた質問のうち、時間切れでお答えきなかった質問について、講師による回答をここでご紹介します。

【質問】
料理の栄養バランスを示す場合、現状PFC比を用いますが、エネルギー算出式と乖離が出ることが懸念されます。そこは別物と考えてよろしいでしょうか?

【回答】
食事摂取基準2020の報告では、「エネルギー産生栄養素バランス」について、従来のたんぱく質(必要量)、脂質(飽和脂肪酸の上限とω6等の必要量)、炭水化物(たんぱく質・脂質の望ましい摂取で得られるエネルギーの残りを補完する量。食物繊維は考慮しない。)の摂取目標g数に対して4-9-4を乗じた数で望ましい構成比を表していますので、比較する上では、それに準じて料理のPFC 比を算出することが適切と考えます。

【質問】
企業のレシピ開発の際に、栄養価計算を行う場合があります。八訂への移行はいつまでにするものが妥当とのご判断でしょうか?
(食品データベースもまだ七訂のままですので……)

【回答】
数値の妥当性という観点では最新の成分表を利用されることをお勧めします。ただし、食品表示など用途によっては、成分の選択や栄養価計算の方法について別途のルールがある場合がありますので、それらの整合性については御留意頂くようお願いします。

・演題:食品の安全性向上に向けた取組~リスクを科学的に考える~
・講 師:阪本和広・農林水産省消費・安全局食品安全政策課課長補佐
・会 場:日比谷図書文化館4Fスタジオプラス小ホール・オンライン会議(ZOOM)同時開催
・参加者:48人
・文 責:小島正美

 日本の食品は安全なのか。国産品、輸入品とも残留農薬などの基準違反の割合を見ると日本で0.004~0.009%程度で、米国やEU(欧州連合)より 低いという。健康へのリスクは人が意図して使う農薬や食品添加物だけではな い。食中毒を起こすカンピロバクターやサルモネラなどの微生物、カビ毒、貝 毒、お米に含まれているカドミウムや鉛など、身の回りには意 図せずに食品に入りこむ有害物質がたくさんある。農林水産省はこれら非意図的に食品に含まれる有害な化学物質を「優先的にリスク管理を行うべき有害化学物質(約30 種類)」としてリストをつくり、低減策を進めている。中でも、高温の調理により家庭料理でも生じるアクリルアミド(発がん性物質)の低減に力をいれている。会場で配布された家庭向けパンフレット「安全で健やかな食生活を送るために~アクリルアミドを減らすために家庭でできること~」はとても分かりやい内容だ。農水省はこれからも有害化学物質の低減に取り組んでいくという。やや難しい用語も出たが、全体としてとても分かりやすい内容だった。


2021年1月25日 2020年度西日本支部第1回勉強会の報告

イタリアの食文化に触れるオンライン学習

「食科学とイタリア食文化のリアリティについて」今年のコロナ対策の中で行われた石田ゼミの試み

・演 題:コロナ禍とリモート食教育
・講 師:石田雅芳 氏(立命館大学 食マネジメント学部教授)
・進 行:小山伸二
・参加者:オンライン開催38名
・文 責:小山伸二

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西日本支部の第1回目の勉強会は、全国11都府県に緊急事態宣言が出される中、完全リモート形式で実施されました。

講師の石田氏から、コロナ禍でのリモートによる食教育の実践について、大学でのオンライン授業のような雰囲気そのままに、お話しいただきました。

石田氏は、イタリアのスローフード協会本部のスタッフとして現地で活動した経歴を持ち、食の美味しさ、環境持続可能性、そして食をめぐる倫理などをベースにした新しい食教育の可能性を追求する現場を体験されてきた。帰国後、2018年4月に新設された立命館大学・食マネジメント学部の教授に就任。

スローフード協会が中心となって創設された食の大学(イタリア食科学大学)は、食に関する「諸科学」(Gastronomic Sciences)を標榜して、 理系・文系を超えた学際的研究・教育環境の場を創出した。同様に、立命館大学の食マネジメント学部でも、様々な分野の諸科学(文系も含めた)の統合を目指している、と言う。

石田氏は、「食教育」において、アカデミズムと伝統的な知識との対話が必要であると考え、ヴェネツィアのジュデッカ島より漁師さんを招聘して大学の教壇に立ってもらうなどの試みもされてきた。

コロナ禍の影響で、昨年4月からオンライン授業を余儀なくされたが、オンラインであるメリットを使って、海外のゲストにネット上で登場してもらう授業を展開された。ゲストは、イタリアのワインやチーズ、畜産などの生産者、食分野の研究者、料理人、ジャーナリストなど、多彩な分野の実践家、専門家たち。時差7時間(あるいは8時間)ある現地から登場する羊飼い、カラスミの生産者、チーズ生産者、シェフなど、魅力的な方々ばかり。それぞれに、背景があり、物語がある。こうした方々がバーチャルな「教室」の中に登場される授業は、きっと、受講した学生たちにとっても、ワクワクする体験になったに違いない。JFJでの勉強会では、実際のゲストは登場しないものの、そんな授業の雰囲気は、石田氏のお話から十分に伝わってきた。

石田氏は、大学でのオンライン授業用に、わざわざ自宅の地下室をスタジオ風に改装し、まるでラジオ放送のスタジオのように「ON AIR」のサインボードを購入したりする一方で、IT機器に頼るオンライン授業の中にも、アナログの温もりをということで、黒板を用意し、板書もされるとのこと。食の持っている「リアル」を伝える上で、オンラインで、こうした工夫も学生たちにきっと何かを感じ取ってもらっているはずだ。

また、イタリアの食文化研究の権威であり、イタリア食科学大学の初代学長のアルベルト・カパッティ教授をゲストに招いたバーチャル研究会の実施や、オンラインを使った小学生への食育の取り組みなど、アフター・コロナの教育・研究の新しいスタイルとしての可能性も、お聞きすることができた。

JFJの勉強会自体も、オンラインによって、首都圏の方だけではなく、より広範囲の方々にも参加いただけるようになり、申込者限定の動画配信など、これまでにはない試みにも着手しているが、オンラインを使ったコミュニケーションについても、学びをたくさんいただけた勉強会になった。

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<イタリアの食文化に触れるオンライン学習「食科学とイタリア食文化のリアリティについて」
今年のコロナ対策の中で行われた石田ゼミの試み:講演資料(PDF)>

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2021年2月4日 2020年度第8回勉強会のお知らせ

エネルギーの変更ほか5年に1度の大改訂

『日本食品標準成分表2020年版(八訂)』改訂のポイント

 2020年12月25日、『日本食品標準成分表2020年版(八訂)』が文部科学省から公表されました。
(近年追補という形で毎年新たな情報の公表はあるものの)5年に1度の大改訂となり、今後、食品の栄養成分表示や、個々の摂取するエネルギーや栄養素の過不足を判断する栄養計算には、この八訂の成分表を用いることになります。八訂では、需要が拡大している調理済み流通食品に関する情報を充実するとともに、これまで分冊として編集されていることもあり、あまり注目されていなかったアミノ酸、脂肪酸、利用可能炭水化物等の組成成分を用いたエネルギーの算出方法を導入するなどの改訂がなされました。  そこで、第8回勉強会では、食情報を発信する者にとって不可欠な資料である「日本食品標準成分表」の改訂内容と今後の方向性について、実際に改訂作業を担当された文部科学省科学技術・学術政策局政策課資源室の松本万里室長に解説していただきます。


《開催概要》———————————————————

テーマ
エネルギーの変更ほか5年に1度の大改訂
『日本食品標準成分表2020年版(八訂)』改訂のポイント
日 時
2021年2月4日(木)19:00~20:30(18時半開場)
場 所
*オンライン会議(ZOOM)で開催
講 師
松本万里(まつもと・まさと)
文部科学省科学技術・学術政策局政策課資源室室長
司会進行
監物南美(食生活ジャーナリストの会 幹事)
参加費/申込
JFJ会員・学生:無料 ➡ 定員に達したので申込を締切ました
非会員(オンライン:ZOOM) 1,000円 ➡ 定員に達したので申込を締切ました
定 員
150人(@オンライン:ZOOM)←増員しました(1/15)
お知らせ
*お申込み完了後、 開催当日までに申込登録されたメールアドレスあてに
 オンライン放送のURLをお送りします。
 開催時刻前に届かない場合は、JFJ事務局にメールでお問い合わせください。
 なお、必ずJFJ事務局のメールアドレス(info@jfj-net.com)を「連絡先」等に
 ご登録ください(弊会からのメールが拒絶される場合があります)。
*事前参加登録いただいた皆様には、後日YouTube動画を限定配信いたします。
(不具合で視聴できなかった方、急遽欠席になった場合も御覧いただけます)

 

お問い合わせ
JFJ事務局
携帯:090-5002-6961
FAX:0467-95-9354
info@jfj-net.com