・講 師:高橋 慶氏(有限会社環境テクシス代表)
・進 行:田尻 泉(JFJ副代表幹事)
・会 場:日比谷図書文化館(千代田区日比谷公園1-4)
・参加者:25名
・文 責:田尻 泉

昨今関心が高まっているエコフィードについて、そして、昨年26年ぶりに国内で発生しいまだ終息を迎えていない豚コレラ、愛知県で革新的なエコフィードに取り組むと共に養豚も営む、高橋慶氏(環境テクシス代表)にお話しいただきました。

エコフィード(ecofeed)とは、“環境にやさしい”(ecological)や“節約する”(economical)等を意味する“エコ”(eco)と“飼料”を意味する“フィード”(feed)を併せた造語で、食品の製造過程で出る副産物や売れ残った食品、調理残さ、農場残さ(規格外農産物等)を利用して製造される家畜用飼料のことです。その約7割を輸入に依存している飼料の自給率向上や食品リサイクルの推進に貢献することが期待されています。エコフィードの開発・販売に取り組み、自らもエコフィードによる養豚業を営む高橋さんによると、豚の嗜好は人間に似ているそうで、人間が好きなものや人間が食べて安全なものは基本的に安全な飼料として活用できるとのこと。ただし、食品残さが全て理想的な飼料となり得るわけでは無く、小さな調味料袋が混在するコンビニ弁当など仕分けコストの負担が大きいものや季節ごとに内容が見直される商品などは安定した材料としては使いにくいとのことでした。食品ロス削減推進法も成立し、食品ロスの解消におけるエコフィードの存在意義は今後ますます大きくなるものと思われます。一方で高橋さんは、見た目や過剰な安全への配慮などによって本来人間の食べものとして十分通用するものが廃棄物として処理されることも多く、消費者の寛容性や事業者の勇気によって減らせる食品ロスもある、と話しました。

続いてのテーマの豚コレラについては、いまだ有効な対応策が見出されていない現状が伝えられました。昨年愛知県で発生した豚コレラは、同県及び岐阜県を中心に拡大を続け、三重県、長野県、福井県など周辺地域にも広がっています。政府並びに地方自治体は主たる感染源とされている野性のイノシシの侵入防護柵設置の推進に努めていますが、設置済みの防護柵を超えて感染拡大が確認されている地域もあり、防護柵の効果には限界があるとみられています。そもそもイノシシが豚舎の中に侵入することは想定しにくく、また野生のイノシシが生息しない地域でも豚コレラの発生は確認されています。豚コレラに感染している野生のイノシシが確認されていることは事実ですが、ウィルスがどのように豚舎内の豚に感染するのかその感染経路が不明確で、決定的な対応策が見出されていないのが実情です。確実な予防策が無い以上、ワクチン接種を望む養豚関係者も多いですが、ワクチン接種により「非清浄国」となることで生じる豚の輸出入への影響などの観点からワクチン接種導入に政府は消極的です。このように、残念ながら現時点では問題収束の見通しが立っていません。ただ、もちろん感染が確認された養豚業者にとっては死活問題ですが、国内の豚肉需給に影響が生じる規模では無いため、今のところ消費者にはあまり影響は無いでしょうとのことでした。また、豚コレラ感染豚の肉が市場に出回ることは無く、また万が一食べても人体には影響は無く、人間に感染することもありません。

「養豚の現場から~豚コレラの現状、そして、エコフィードでフードロスは減らせるか」資料