2014年6月23日 2014年度第2回勉強会

「人間ドック学会の新基準を読み解く」の報告

・講師:久保明
    医療法人社団湖聖会銀座医院 院長補佐・抗加齢センター長
    常葉大学健康科学部 教授
    慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科 特任教授
・2014年6月23日(月)18:30~20:00
・於:東京ウィメンズプラザ会議室
・参加者:28名
・まとめ:平川あずさ

 4月に日本人間ドック学会が発表した「超健康人の検査値 新基準」が、マスコミを賑わせている。今までの高血圧や肥満の基準範囲を緩める、「幅のある範囲」が示されたからだ。
 従来の基準は、将来の疾病発生リスクを予測しての「予防を開始する目安」としての基準であるのに対し、このたび人間ドック学会が発表した数値は、人間ドックを受診した時点での「きわめて健康である人の数値」を示したものである。今回は、健診の専門であり、臨床家でもある久保明先生にご講義いただいた。

■インパクトとファクト

今回の報道の問題はこれにつきる。マスコミは常にインパクトを求め、医師や科学者はファクトを求める。我々の報道はどうあるべきなのか、報道の問題点に気がつくための臨床検査の説明や、エビデンスレベルの解釈について紐解いた。

■我々の身体は凸凹した「矛盾の複合体」である

人の身体を診るのに、ある部分をその一瞬でみることで判断できない。ある部分だけを捉えて判断するのはそもそもおかしい。まずは診断法を確立すること。その為の研究も進んでいる。その先に臨床的判断があるべきである。

■病気の成り立ちを理解する

「疾病」、「サロゲートマーカー」、「イベント」の、どの部分での診断なのかを見極める。どの段階かによって、情報の深刻度が変わるので、最初に捉えておくことが大事。

■世界の健康情報トピックス

糖尿病に関する大規模研究の結果や、米国におけるThe Longevity Projectの紹介

■横断研究と経過観察•コホート研究、介入研究を混同して比較することはできない

数値論争から、解析法患者背景を考慮した議論へ

感想;メデイアの問題と対処法を織り交ぜながらの解説で、難しい内容でも的確で分かりやすい講演だった。また最後に、望ましい生活習慣のために「何か一つを変える」という提案には会場から共感の声が上がっていた。