テーマ:食料自給率39%じゃ、いけないの?

~消費者・生産者・食品企業そして食生活ジャーナリストには何ができるのか~

2008年1月26日 於:日本教育会館・第二会議室
パネリスト:塩川白良氏  農林水産省大臣官房参事官
      生源寺眞一氏 東京大学大学院農学生命科学研究科長
      長島勝美氏  専業農家
コーディネーター:佐藤達夫 食生活ジャーナリストの会代表幹事

■パネリストの講演要旨

  • 塩川白良氏 「食料は自分たちの問題。ライフスタイルを見直そう」
     昭和40年代には70%だったわが国の食料自給率(カロリーベース)は平成18年度には39%にまで低下した。その大きな要因として、食生活の変化とそれに伴う農業の衰退をあげることができる。食生活の洋風化は、米の需要を減らし、小麦や肉類の需要を増加させる。これらは飼料をも含めて輸入に頼っているので食料自給率は低下する。
     まずは、消費者がライフスタイルを見直すことが食料自給率向上に不可欠である。
  • 生源寺眞一氏 「これからは買えない時代。食料安全保障の観点が必要
     昭和60年くらいまでの食料自給率の低下は、主として、食生活の変化によるものだが、それ以降は、農業生産の減少によって自給率が低下したといえる。国民が食生活を昔に戻すこと(これも難しいことだが)だけでは自給率は向上しない。世界的に生ずる不測の事態でも食料を確保できるというフードセキュリティ(食料安全保障)の観点から、食料の国内供給量を確保する必要がある。このことは農林水産省だけではどうすることもできない。厚生労働省なども含め国をあげて取り組まなければならない。
  • 長島勝美氏 「自給率向上は後継者確保から。若者が夢を持てる農業に
     現在、日本国内の農林水産業従事者は経済活動人口の約3%しかいない。しかも農業者の平均年齢は65歳。このままでは10年後には平均年齢が75歳になってしまう。これでは食料自給率が上がるはずがない。行政は、定年退職した団塊の世代を農業に参入させようとしているようだが、子育ても終わり退職金も年金も手にしている人たちが真剣に継続的に農業をするとは思えない。今後、長い期間継続的に従事できる若い世代が、夢を持って農業に参入できるような制度が早急に必要だと思う。

■第2部

  • 消費者、生産者、ジャーナリストたちによるディスカッションが行なわれた。簡単に解決策が見つかるようなテーマではないが、それだけに「すべての人が、自分のこととして真剣に取り組み、身の回りでできることから一つずつ実践していかなければならない」という共通認識を持つことができた。