「銚子きんめだいまつり参加レポート」

・平成22年7月18日(日)
・主催:銚子市漁業協同組合きんめだい祭り実行委員会
・於:千葉県銚子マリーナ
・JFJ会員参加者:大森良美、駒井信行、佐藤達夫、村松真貴子、加藤えり子(事務局)

まとめ:佐藤達夫

●1年中おいしい銚子のキンメダイ

 昨年度のJFJ公開シンポジウムに出展した千葉県農林水産部生産販売振興課から「第16回きんめだいまつり」の案内が届いた。事務局から会員に通知したところ、事務局の加藤さんを含めて5名の参加があった。
 世界中どこでも「暖流と寒流がぶつかる海域」は好漁場だ。そこでは寒流と暖流が混ざり合い、海の中で上下流が発生して栄養素も酸素も豊富な海水になる。魚の餌となるプランクトンが大量に発生し、それを食べる小魚、その小魚を餌にする中型魚、さらにそれを狙って大型魚が集まり、豊かな漁場が形成される。
 銚子沖もまさにそういう海域だ。加えて、利根川からの栄養豊かな淡水が流入することによって、銚子沖は、世界でもまれに見る良好な漁場となっている。北は北海道、南は九州から多くの漁船が銚子沖に集まって来るのは当たり前だ。
 キンメダイといえば伊豆産が有名だが、銚子沖で捕れるキンメダイも「千葉ブランド水産物第1号」に認定されている、知る人ぞ知る特産物である。縦延縄漁(たてはえなわりょう)で釣り上げられる千葉県のキンメダイは、伊豆産の物よりもやや小型だが、脂質が多く、とてもおいしい。
 キンメダイの旬は冬だが、銚子のキンメダイは夏もおいしいので、1年中おいしく食べられる。
 実際、この日の昼食には「刺身」「煮物」「あら汁」「カルパッチョ」「あんかけ」「寿司」(もちろんいずれもキンメダイ)が提供されたが、味も身の締まりも抜群であった。

銚子つりきんめのぼり   道場さんと吉庭さん

●資源管理が今後の課題

 銚子きんめだいまつりは今年で第16回になり、知名度も来客数も年々高まっているという。とりわけ今年は、“和の鉄人”として著名な料理人・道場六三郎氏を招いてのキンメダイ講習会と銚子釣りきんめの創作料理コンテストを行なったため、昨年までの参加者を大きく上回る約50,000人が来場した(主催者発表)。
 会場では、キンメダイ料理の試食やキンメダイの直売も行なわれていた。いずれも長蛇の列を作るほどの人気。新鮮でおいしい銚子釣りきんめが破格の値段で買えるという評判が広まりつつあるため、直売所には明らかにプロの料理人とわかる人たちが、発泡スチロールの大きな箱に氷詰めにされたキンメダイを2箱、3箱と大量に購入して行く姿も目立った。
 道場氏は、地元の料亭「吉庭」のオーナー・吉塚芳雄氏と共に、「きんめの笹寿し」、「きんめアラ焼き・冷やしうどん」などを調理し、参加者約600人に一口ずつ振る舞った。
料理コンテストでは、決勝に残った5名(羽場吉博、黒岩裕樹、菖蒲花奈、小川政直、伊藤美枝子)がその腕を競い、黒岩氏(東京都・会社員)の「キンメダイの簡単マリネ」が、優勝の栄誉を勝ち取った。
 主催者を代表して、銚子市漁業協同組合組合長の坂本雅信氏が次のように感謝の意を述べた。
 「銚子のキンメダイは、きょう食べていただいたように、味はどこにも負けません。しかし残念ながら知名度においてはまだ伊豆にかないません。日本一になるには付加価値が必要になります。付加価値というと安易にブランドと考えがちですが、私たちは『計画的な資源管理をして、この一年中おいしい銚子のキンメダイをいつまでも食べてもらうことができるようにすること』だと位置づけています。多くの場合、資源管理は、資源が減ってきてから始めますが、漁業の安定経営のためにも資源が減る前からきちんと管理をしていきたいと考えています。きょうここにお集まりの皆さんも、キンメダイの味と共にこのことも覚えて帰っていただきたいと思います」
 日本全国から銚子沖に集まる漁業者に対しても、このことをしっかりと伝えていくことが今後の課題なのだという。