2020年7月15日 2020年度 第2回勉強会の報告

「種苗法改正案の目的と意義を学ぶ~農家を守る視点とは」

・演 題:種苗法改正法案の趣旨とその背景
・講 師:藤田裕一(ふじたゆういち)農林水産省食料産業局 知的財産課種苗室長
・進 行:小島正美
・会 場:日比谷図書文化館4Fスタジオプラス小ホール・オンライン会議(Google Meet)同時開催
・参加者:68名
・文 責:小島正美

種苗法改正法案が国会で継続審議となり、関心を集めている中、その改正の意義と背景などについて農水省の担当者がじっくりと説明した。高級ブドウのシャインマスカットなど優良な品種開発が日本の農業を支えているが、最近はその優良な品種開発が停滞ぎみなうえ、莫大なコストと労力をかけて作られた日本の優良品種がいつのまにか無断で海外に流出しているという嘆くべき現状がある。そうした窮状を打開するために考え出されたのが種苗法改正案だ。

品種には、新しい価値をもつ優良品種の多い「登録品種」とそれ以外の「一般品種」(在来種など)がある。改正の主な狙いは、登録品種を農家などが自家増殖する場合は、開発者(育成者)の許諾を得ることを条件とするルールに変えることだ。これまでは許諾が不要だった。よく誤解されているが、自家増殖の禁止ではない。許諾契約があれば、育成者が栽培地の利用条件をもうけることができ、海外への流出を抑止させる効果をもつ。育成者には自治体や国の研究機関も多く、許諾料が高額になることは考えにくいという。

海外の企業が一般品種を登録品種にして、大きな利益を得るのではという懸念も出ているが、登録品種に値するかどうかは国の研究機構が厳しく審査するため、そんなに簡単に企業が品種を登録することは困難だという。法改正の対象となるのは登録品種だけであり、コメや果物、野菜の9割前後は従来通りのままで自家増殖も可能だ。分かりやすい説明でとても好評だった。

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<種苗法改正法案の趣旨とその背景:講演資料(PDF)>