2019年10月30日 2019年度第29回公開シンポジウムの報告

JFJ30周年記念シンポジウム「食・健康・科学」をどう伝えるか

~ジャーナリズムのあり方を考える~

【テーマ】「食・健康・科学」をどう伝えるか~ジャーナリズムのあり方を考える~
【日 時】2019年10月30日(水)14:00~17:30
【会 場】東京大学農学部の弥生講堂一条ホール
【主 催】食生活ジャーナリストの会(JFJ)
【協 賛】守れる命を守る会
【参加者】92名

いま新聞やテレビなど既存メディアがネットの台頭とともに衰退に向かい始め、専門家からの信頼性も失いつつあります。その要因は何か。どうしたら既存メディアは信頼性を回復できるのか。記者の専門知識を引き上げ、記事やニュースの構図を変えれば、解決できる問題なのか。

JFJ創設30周年記念となる今回のシンポジウムでは、メディアを取り巻くそうした全体像と向き合い、食・健康・科学ジャーナリズムのあるべき姿を考えました。パネルディスカッションでは、会場からの意見も交え、活発な議論が繰り広げられました。

【プログラム】

司会:村松 真貴子(NHKキャスター、フリーアナウンサー、エッセイスト)

<開会挨拶>
小島 正美(食生活ジャーナリストの会 代表幹事)

<基調講演1>
村中 璃子(医師・ジャーナリスト)
一橋大学大学院修士修了(国際社会学専攻)、その後、北海道大学医学部卒業。
医師免許取得後、世界保健機関(WHO)西太平洋地域事務局で新興・再興感染症対策に従事。
2014年より一般誌への執筆を始め、2018年に「10万個の子宮」(平凡社)を刊行。
2017年にジョン・マドックス賞受賞。京都大学大学院医学研究科非常勤講師。

「子宮頸がんワクチン問題から考える、これからの科学報道」
2019年1月、WHOは「国際保健上の脅威トップ10」に、反ワクチン運動を挙げました。
ワクチンに限ったことではありませんが、食・医療・科学に関するフェイクニュースは近年ますます洗練され、本物との区別が容易にはつかなくなってきています。そんな「専門性を生かしたフェイクニュース」の時代に、書き手はどのようにしてジャーナリズムと呼ばれるに相応しい報道をしていけばよいのでしょうか。子宮頸がんワクチン問題を事例に考えます。

<基調講演2>
小松 理虔(地域活動家・いわき海洋調べ隊「うみラボ」共同代表)

1979年いわき市小名浜生まれ。法政大学文学部卒。報道記者、ライター・編集、かまぼこメーカー広報などを経て2015年に独立。原発沖の海洋調査チーム「いわき海洋調べ隊うみラボ」で国連生物多様性アクション2015特別賞、単著『新復興論』で第18回大佛次郎論壇賞、地元の水産加工会社とのコラボ企画「あおいちプロジェクト」で第4回ふくしま地産地消大賞優秀賞を受賞。
地域に根ざした文筆、イベント企画などを生業とする。

「福島の『食の安心』はどこにある? ?港町の現場から?」
2013年より取り組んできた海洋調査チーム「いわき海洋調べ隊 うみラボ」の活動など、地域のイベントや企画を通じて多様な人たちに情報を届けるこれまでの実践を紹介しつつ、科学的知見をいかに伝えるかの方策を探ります。

<パネルディスカッション>

村上 紀子(食生活ジャーナリスト、食生活ジャーナリストの会初代代表幹事、元朝日新聞編集委員)
「食生活ジャーナリストの会にとって<食と科学>は最重要課題の一つ」

畑中 三応子(食文化研究家)
「〈体にいい食べ物〉の流行を明治時代からたどる」

小島 正美(食生活ジャーナリストの会代表幹事、元毎日新聞社 編集委員)
「なぜ多数派科学者の意見が記事に反映されないのか」

コーディネーター/小山 伸二(辻料理教育研究所 メディア・プロデューサー)

講演資料
小松 理虔「福島の『食の安心』はどこにある? ~港町の現場から~」
村上 紀子「食生活ジャーナリストの会にとって<食と科学>は最重要課題の一つ」
畑中 三応子「〈体にいい食べ物〉の流行を明治時代からたどる」
小島 正美「なぜ多数派科学者の意見が記事に反映されないのか」